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平成18年度の税制改正に酒税の見直しが盛り込まれる模様とあってか,ビールの酒税に関する話を最近耳にします.
上記は,日本のビールメーカー大手五社からなる組合です. 月次の消費動向を発表していたり,ビール醸造に関する書籍の発行(販売?)を行っていたりと,なかなか素敵なサイトです. ここでも酒税減税の要求が声高に謳われています. そりゃそうです. 酒税が増えて価格が上昇してもメーカーの取り分は増えませんし,価格弾力性を考えても減益は必至. 逆に酒税が下がって価格が下げられれば,単位あたりのメーカーの利益は変わらずに消費量が(多分)増えるだろうから結果増益です. そりゃ「増税反対,減税要求」となります.
もちろんぼくら消費者にとっても税金が安ければ単純には嬉しいわけですが,果たして手放しで「増税反対,減税要求」を唱えてよいのでしょうか?
この問題を考えるに当たって,現行の酒税法における酒類の定義が重要になります.
酒税法の第三条,第四条で酒の分類が定められています. ここでは明確にビール / 発泡酒 / その他の雑酒 が別なものとして定義されています. しかし残念ながら,広義の「ビール」は「その他の雑酒」に分類されるいわゆる第三のビールも含んでしまう場合が往々にしてあります. そしてそれが,酒税改正を考えるときにちょっと曖昧な状況を招くことになります.
現在,税制調査会で進められている酒税改正の方向性は,酒類の分類を単純化していこうというものです. ビール,発泡酒,その他の雑種という区別を取っ払い(もしくはもう少し大雑把に分けて),税率を決めようというものです. 良し悪しは税額をどの水準に置くかにもよりますが,ビールよりも安く,発泡酒よりも高く設定される方向で進んでいるようです. つまり,ビールは減税,発泡酒といわゆる第三のビールは増税される形です.
つまりはですよ,現在すすめられている酒税改正は決して「ビール増税」をめざしたものではないのです. むしろ減税されるくらいの勢い. そこであまり考えずに「増税反対,減税賛成」を唱えてしまってよいのでしょうか,って話です. ビール酒造組合の思惑としては「ビールも発泡酒もその他の雑種も増税反対」ということなんだと思うけれど,それが「ビール減税を求む」という言葉になるとどうも胡散臭いんだよね. ここで減税を望まれているところの「ビール」は,果たして発泡酒,その他の雑種を含んでいるのか,否か. 「曖昧な状況」ってのはまさにここです. その曖昧さに乗じて暗に「今の税調の方向性に反対」という主張に誘導されているように思えてならない. 今の方向性は本当に全否定すべきものなの? 「ビール」と一括りにしてしまうとぼやっと「増税?」ととられかねませんが,ちゃんと中身をみれば「減税」の側面もありますよ.
ビール酒造組合がビールの定義を曖昧にしたまま減税を主張する動機は良く判るのですが,ぼくたち消費者はきちんとそこを見極めて,本当に自分が望ましいと思う状態を考えるべきでしょうな. ぼくとしては,節税のための商品開発に企業の開発努力が割かれるよりも,ちゃんとおいしいものをきちんと世に送り出せる活動に振り向けられるのが望ましいので「ビール減税,発泡酒増税」という現在の税調のスタンスに賛成です. ビールとビール風飲料の価格差が縮まるのは嬉しい. もちろん,違う考え,立場もあるでしょう. 「年金生活の唯一の楽しみが夫婦で分け合う一杯の Draft One」ってな老夫婦もいるみたいだから,そういう人はいわゆる第三のビールの増税も絶対避けたいでしょう.
要は,あまり考えずに「ビール減税」を叫ぶと,自分が望む状態とはかけ離れちゃうかもしれませんよ,ということです. うまいビールを飲むためにも,ぼくは今の曖昧な「ビール減税要求」論調には反対します.
「ビール減税歓迎.発泡酒およびその他の雑酒増税歓迎.」
まぁ,無理を承知で言えば,両方下がってくれるのが一番良いんだけれどね.
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